円満相続

「自分の親の財産をめぐって、まさか兄弟が争うことになるなんて・・・」

相続は、よく「争続」という漢字を当て字されるほど、しばしば遺族の間にも大きな争いを生じさせてしまいます。「うちに限ってそんな争いになることはない!」被相続人がもっていた巨額の財産だけではなく、不動産、少額の預金に対しても、相続人になる可能性のある遺族間で泥沼の争いを繰り広げるのです。

相続においてよく見られるトラブル事例です。

 

「相続トラブル事例」

 亡くなったAさんは駅前に居住用の不動産を持っていました。Aさんの商売を継いだ長男BさんはAさんから多くの支援を受けましたが、結局事業の承継に失敗し、行方をくらましました。次男Cさんはその後始末を必死で行い事業を清算し、ようやくCさん家族とAさんは同居して細々と暮らしていけるところまでこぎつけました。

 20余年後Aさんは亡くなりますが、残したのは駅前の不動産だけで預貯金はありませんでした。次男Cさんは自身の妻、子供もAさんの居宅で長い期間住むことになったので、当然に自分が不動産を相続できるものと思い,長男Bさん、三男Ⅾさんと話し合いの場を持ちました。

 しかし、長男Bさんは話し合いの場に現れません。次男Cさんの苦労している姿を全く見ていない三男Ⅾさんは駅前不動産の地価の高さに目を付けます。これだけ良い場所にある不動産を次男Cさんだけがもらうのは絶対おかしいと言い出します。  

 結局、いつまでたっても話し合いにはなりません。弁護士さんに相談に行くと、BさんがAさんからもらった財産は確かに特別受益という形で問題になるが,原則3分の1ずつ3人兄弟に法定相続分があると言われました。むしろBさんやCさんから遺産分割調停を申し立てられると家を売らないといけない可能性もあると言われ,毎日が不安でいっぱいです。父Aさんのためにとひたすらそれだけを考えて必死で過ごしてきた時間はいったいなんだったのかと思うとため息が出ます。

 その後の兄弟の仲は言わずもがな、完全に崩壊してしまいました。

 せめて父Aが遺言書を書いていてくれていたら,また遺留分のことが勉強できていたらと本当に悔しく思います。

 うちの家族はスムーズに相続できると思ったのに、こんな形で兄弟と絶縁関係になるなんて・・・

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以上のような相続をめぐるトラブルは非常に様々なケースがありますが、そのようなトラブルに発展するのは相続人の問題であると共に、被相続人の生前の処理の問題でもあるのです。このような相続人間での骨肉の争いは、遺言をきちんと作成していればほとんどのケースは防ぐことが出来るのです。ご自身の遺言書作成必要度をチェックしてみましょう!(上手な遺言の利用方法へ)

 

円満相続のために「遺言書作成」「生前贈与」を検討しよう

被相続人が残した遺産を分割するためには、相続人間に感情的なしこりがあるとうまくまとまらないことも多いものです。遺産分割において、相続人となる方は「自分の主張だけでなく、各相続人の事情も考慮するべきである」ということを留意することが必要ですが、被相続人としては遺産の行き先をはっきりと指定した遺言が大切になるのです。

 

紛争になる可能性のある場合にはもちろん、遺産を残すことになる方は是非遺言を作成しておくことをお勧めします。また、遺産を受け取る側も、上手に機をとらえ、生前に遺言を書いてもらうようお願いすることが大切です。

 

自分の所有する財産を、自分が死んだ後に思い通りに処分する遺贈(遺言による贈与)の方法として、個別具体的に財産を「贈与」する方法もあります。生前贈与は生きているうちに自分の意思を明確にするという意味では遺言と同じ効果がありますが、遺言と異なるのは、ご自分の財産を実際に与えるという行為を伴うことです。

贈与に関する詳細は「上手な贈与の利用方法」をご覧下さい。

 

贈与者本人は自分の意思で与える事を確実にすることができ、また、贈与時点においてその理由や気持ちを直に伝えることも可能です。さらに、それを受けた人も感謝の気持ちを直接伝えることができます。

 

トラブルを回避するために遺言を書きましょう!書いてもらいましょう!

 

上記のように、相続人間における「争続」を避けるためにも、遺言は非常に有効な手段です。遺言を残しておけば、残された遺族も、それが故人の意思だと思えば、よほど不公平な内容でない限り、たいがいの場合納得するものです。そして、法的に見ても遺留分が侵害されるなどのことがない限り、争うことができません。

無用な遺族間トラブルを避けるためにも、今すぐ遺言を作成することをお勧めします。

遺言書の種類に関しては「遺言の種類」・書き方に関しては「遺言の書き方」をご覧下さい。

(→遺言書作成のページへ)

 

 

当事務所では、皆さまの遺言書作成をサポートします

遺言書は、専門家に依頼せず手軽に自身で作成する「自筆証書遺言」と、専門家のアドバイスを受けながら作成、安全で確実な「公正証書遺言」の二つがあります。

自分でも作れる遺言書ですが、当事務所が作成する遺言書は下記の点が違います。

 

  • 相続人からクレームがつかない遺言書のアドバイスをいたします。

・相続人に保証されている遺留分(最低限の相続分)への対策

・特別にお世話をした人の寄与分(お世話への対価)への対策

・遺言の無効主張への対策

・相続人の人生設計をも考慮した対応

 

  • 円滑に相続手続ができるような遺言書を作成します。

・相続手続の執行まで責任を持ちます。

・遺言書の安全な管理をお約束します。

遺言書の種類、作り方は法律で厳格に定められています。それ以外の方法で作成されたものや口頭で言ったものは原則として無効で、法的効力を生じません。それどころか、かえって紛争の種になってしまう可能性すらあります。

 

円満な相続を行うために、遺言書を作成する際にはお気軽に当事務所にご相談下さい。